【必見】在宅コールセンター実現で確認すべき事項|推奨理由や課題などを解説
【在宅コールセンター実現で確認すべき事項】
推奨理由や課題などを解説していきます
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コロナ禍におけるコールセンターの在り方や人材確保のために、在宅コールセンターの導入を考えている企業も多いのではないでしょうか。
在宅コールセンターは、コールセンターが抱えていた課題を解決できる可能性があるのです。
一般社団法人日本コールセンター協会「2020年度コールセンター企業 実態調査」によると、在宅テレコミュニケーターの採用率は28%に留まりました。コロナ以前よりは増加しましたが、「今後採用の予定がない」と答えた企業は38%となっており、セキュリティや労務管理を問題視しています。
在宅テレコミュニケーターの採用予定
グラフは、「2020年度コールセンター企業 実態調査」をもとに、当社が独自に作成。
そこで今回は、在宅コールセンターを実現するために、推奨理由や懸念される問題についてお伝えしていきます。
在宅コールセンターが推奨される理由
働き方改革にともない、「在宅コールセンター」が注目されていたものの、今まではなかなか導入にいたっていませんでした。
しかし新型コロナウイルスの影響により、在宅コールセンターを導入する企業が増加しました。
在宅コールセンターは、従来の業務の一部・またはすべてをリモートで行うものです。
従来のコールセンターは自然災害時の出勤対応や、人材不足などの課題を抱えていましたが、在宅コールセンターにすることで、このような課題を解消できます。
具体的に、在宅コールセンターが推奨される理由は以下の3つです。
1.BCP対策
2.人材不足の改善
3.離職率の減少
ひとつずつみていきましょう。
推奨理由①:BCP対策
まずは、BCP対策になる点です。
BCPとは、「Business Continuity Plan」の略で、事業継続計画を意味します。
自然災害やパンデミック、システム障害などの緊急事態時でも損害を最小限に抑えつつ、重要な業務が継続できるようにするための計画書です。
たとえば、大雨や台風などの自然災害が発生した際、従来の出勤型コールセンターであれば交通機関がストップし、出勤できる人はごくわずかという問題が起きます。
ほかに拠点がある場合は応援を求めることも可能ですが、人員調整や一時的な対応による顧客満足度の悪化などの問題が生じるでしょう。
拠点がない場合は、このような問題をコールセンターがすべて被ることになります。
また今回のようなコロナ禍においては、行動制限や感染拡大のリスクを抑えるため、全員が1箇所に集まり、業務をするのは難しくなりました。
しかし、在宅コールセンターではこれらの問題を解決できます。
そもそも、スタッフは大雨や台風でも出社をする必要がないため、ライフラインに影響がなければ在宅で業務が可能です。
先述した問題は出社の可否が業務に影響していることが多いため、BCP対策として在宅コールセンターが推奨されています。
推奨理由②:人材不足の改善
2つ目は、人材不足の改善です。
コールセンターは人材不足が問題となっていますが、在宅コールセンターであれば全国で採用ができます。
従来の出勤型コールセンターは、通勤ができる人材を採用していました。
しかし、在宅にすれば採用枠は全国に広がるので、人材不足の改善も見込めます。
また、地方在住のため就業できなかった人や、育児や介護で家を離れられない人にも就業のチャンスが生まれます。
コールセンターの経験はあるものの、家庭環境により就業できなかったという優秀な人材の確保にもつながるでしょう。
推奨理由③:離職率の減少
最後の推奨理由は、コールセンターの離職率の減少につながる点です。
在宅コールセンターは、人的リソースの調整がしやすくなるメリットがあります。
在宅オペレーターは場所や時間を問わず、自分の希望する時間帯で働けるため、ワークライフバランスの実現が可能です。
また、出産や育児により離職していた女性オペレーターも、「在宅であれば働ける」という場合は退職せずに済み、ベテランスタッフの維持にもつながります。
離職率が減少すれば、離職者が出るたびに行われていた研修など、採用にかけていた時間や労力の減少につながるでしょう。
コールセンターの離職率が高い理由と改善方法については、こちらの記事でご紹介しています。
在宅コールセンターの気になる課題と懸念内容
BCP対策にもなり、コールセンターの課題であった人材不足と離職率にも効果的な在宅コールセンター。
一方で、在宅ならではの課題や懸念内容が生じます。
1.セキュリティリスク
2.対応品質の低下
3.コミュニケーション不足
具体的に内容をみていきましょう。
セキュリティリスク
もっとも気になる点は、セキュリティリスクではないでしょうか。
顧客の個人情報を扱う業務も多く、在宅でも取り扱いは十分に気をつけなければなりません。
しかし、通話内容を聞かれていたりデータが流出したりするなど、出勤型コールセンターとは異なるリスクが発生する可能性があります。
このような場合のリスク対策として、オンライン上で業務をする方法をおすすめします。
在宅オペレーターにはクライアント対応の専用パソコンを用意し、データをローカル保存しないようにしてデータ流出を防ぐ方法です。
また、ウィルス対策ソフトやVPNを導入することで、データ流出のリスクを抑えられます。
対応品質の低下
在宅コールセンターは、オペレーターがそれぞれの場所で勤務しているため、管理者がオペレーターの状態をすぐに確認できません。
そのため、トラブルや要望への対応が遅れ、対応品質が下がってしまう可能性があります。
対応品質を下げないためにも、オペレーターが検索して疑問点を解決できるFAQシステムの充実や、ウィスパーを利用するなどの対策が必要です。
また、新人スタッフへの研修が不十分な場合も、対応品質の低下につながります。
実際にやりながら教えていた画面の操作方法などが、在宅では直接教えられなかったり、座学教育ができなかったりするため、スタッフの理解度や不安点が把握しにくくなるでしょう。
新人スタッフへは、Web会議やリアルタイムモニタリングの頻度を今まで以上に増やし、従来のコールセンターと同じレベルの研修内容にもっていくことが大切です。
コミュニケーション不足
在宅コールセンターでは、コミュニケーション不足も課題のひとつです。
出勤型コールセンターは、困った際には周囲に助けを求められますが、在宅ではすぐに相談できません。
トラブルや疑問点を一人で抱え込む場合や、スタッフ間とのコミュニケーション不足により、退職にいたる場合もあります。
問題が生じた際はすぐに相談ができるよう、チャット機能やテレビ電話などの連絡手段を整え、管理者がすぐに対応できる環境づくりを行いましょう。
定期的にWeb会議を開催し、業務以外の雑談時間を設けるのも、コミュニケーション不足解消に有効な手段のひとつです。
在宅コールセンターは「システム運用」がカギ
在宅コールセンターは、全国各地にオペレーターが点在しているため、従来のコールセンターシステムへの補助が必要です。
どのようなシステムが必要なのか、ご紹介していきましょう。
■クラウドCRM
CRMとは「Customer Relationship Management」の略で、顧客情報や対応履歴などを管理するシステムのことです。
在宅コールセンターは全国にオペレーターがいるため、クラウド型のCRMが必要となります。
■クラウドPBX
クラウドPBXは、オペレーターがインターネットを通じて会社の電話回線につなぎます。
そのため、在宅でも従来のコールセンターと同様に、顧客からの電話の受発信が可能です。
また、内線通話も可能なため、オペレーター同士や管理者との相談ができます。
■クラウドCTI
CTIとは「Computer Telephony Integration」の略で、電話とコンピューター機能を統合させたシステムのことです。
電話の発着信や通話をコンピューター上で行えます。
CRMと連携させると、着信と同時に顧客情報が表示されるため、過去のやり取りなどが確認できます。どのオペレーターでもスピーディーに対応可能です。
在宅コールセンターのシステム運用は、オペレーターと管理者の連携、顧客満足度の向上のためにも必須です。
とくにクラウド型のコールセンターシステムは、インターネット環境さえあれば利用できるため導入しやすくなっています。
在宅コールセンターに必要なシステムは、全国に点在している在宅オペレーター同士の情報共有や相談がスムーズになり、同時に対応品質も向上するメリットがあります。
まとめ
在宅コールセンターの推奨理由や、課題についてお伝えしました。
在宅コールセンターは、従来のコールセンターで課題であった「BCP対策」「人材不足」「離職率」の解消が期待できます。
セキュリティリスクやコミュニケーション不足、システム導入などの課題はありますが、事前に問題点の対策をして在宅コールセンターを導入しましょう。