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コールセンターの離職率が高い理由と改善策とは?具体的な事例も紹介

コールセンターの課題のひとつが、離職率の高さです。
従業員が退職にいたる理由は、ストレスや職場環境などさまざまでしょう。
一つひとつ改善に取り組まなければ、離職率は下げられません。


そこで今回は、コールセンターの離職率が高い理由と、改善策についてお伝えしていきます。

目次[非表示]

  1. コールセンターの離職率が高い理由
    1. 離職率が高い理由①:クレーム対応による精神的ダメージ
    2. 離職率が高い理由②:暗記すべき項目や量の多さ
    3. 離職率が高い理由③:達成しづらいノルマ
    4. 離職率が高い理由④:不十分な研修内容やサポート体勢
    5. 離職率が高い理由⑤:職場環境
  2. 離職率が低いコールセンターの特徴
  3. 【改善策】コールセンターの離職率を下げる方法
    1. 離職率の改善策①:面談をこまめに実施する
    2. 離職率の改善策②:マニュアルやシステムの仕組みを改変する
    3. 離職率の改善策③:ノルマの見直しや改善をする
    4. 離職率の改善策④:個別指導を実施するなど教え方を見直す
    5. 離職率の改善策⑤:社内アンケートを実施する
  4. まとめ



コールセンターの離職率が高い理由

「コールセンター実態調査」によると、入社1年以内の離職率は増加傾向にあります。
2019年には、回答企業の22%が71%以上と回答。

また、離職率が10%以下と答えた企業は、5年の間で約半分となっており、いかに離職率が高くなっているかがうかがえます。

新人オペレータの離職率の推移

引用元:https://callcenter-japan.com/magazine/3838.html


なぜコールセンターは離職率が高いのでしょうか。まずは、5つの要因・理由から確認していきましょう。

離職率が高い理由①:クレーム対応による精神的ダメージ

コールセンターの離職理由としてまず挙げられるのが、クレーム対応によるストレスです。
一方的にクレームを受けることもあれば、やり取りのなかでクレームが発生する場合もあります。


コールセンターは基本的にお互いの顔が見えないため、言葉遣いひとつで意図しない誤解が生じてしまいます。時には暴言にも近い言葉を受けながら対応をするため、心がすり減り、耐えきれずに辞めてしまう人が多いようです。


離職率が高い理由②:暗記すべき項目や量の多さ

電話対応はもちろん、製品や商品について覚えることが多いのを理由に、辞めてしまう場合があります。


基本的な電話対応に加え、新商品が出ればその都度覚えなければなりません。

長く勤務していれば経験や知識があるので覚えやすいですが、新入社員にとって暗記すべきものがさらに増えてしまうことは、負担が大きいものです。
また、対応に必要な機器の扱いや操作も覚えなければいけません。

電話対応、商品説明、機器操作などの暗記する項目が多いことで、心が折れて辞めてしまう原因になります。


離職率が高い理由③:達成しづらいノルマ

とくにアウトバウンド系のコールセンターの場合、ノルマが理由で離職します。
マニュアル通りに電話をかけていても対応する企業や人は少ないため、課せられたノルマが達成できず、ストレスを抱えて辞めてしまうケースです。


離職率が高い理由④:不十分な研修内容やサポート体勢

暗記すべき項目の多さや、クレーム対応のやり方を十分に教えられないまま、いきなり対応を任せられるケースがあります。
研修が十分ではないと、必要な知識が得られず、お客様に迷惑をかけることになります。

さらに、覚えていないことを理由に上司に叱責されるケースもあり、ストレスの原因になることもあるでしょう。


サポート体制が整ってなければ、ミスを恐れて周囲に相談ができず、さらにミスが重なる悪循環に陥ります。
不十分な研修やサポート体制は、勤務先への不安が募る要素となり、辞めてしまう原因のひとつです。


離職率が高い理由⑤:職場環境

職場環境も退職理由のひとつです。
同じ体勢での仕事や、常に話し続けるため、腰や声への負担がかかります。


また、コールセンターはオフィス内業務であるので、人間関係がこじれると居心地の悪さを理由に退職してしまう場合もあります。
無理な勤務シフトや休暇の取りにくさも、辞めてしまう原因のひとつでしょう。


離職率が低いコールセンターの特徴

離職率が高い原因には、クレーム対応によるストレスや不十分なサポート体制、職場環境があります。

反対に、離職率が低いコールセンターにはどのような特徴があるのでしょうか。
離職率が低いコールセンターの特徴を、3つお伝えしていきます。


■従業員のケアを行っている

ストレスを抱えやすい仕事のため、従業員のケアは大切です。

ミスが起きた際やクレームへのサポートなど、一人ひとりが会社から「大切にされている」と感じるような十分なケアが求められます。


また、コールセンターの仕事は成果が見えにくいため、仕事に対する明確な評価を設定することも大切です。

仕事に対するモチベーションを上げるのも、離職率が低いコールセンターの特徴だといえます。


■研修体制がしっかりしている

新人スタッフのなかには、「電話応対さえしたことがない」人から、「ほかで少し経験がある」というように、一人ひとりレベルが異なります。

そのため、大勢に対して行う研修だけでは不十分です。
研修を終えてすぐにひとり立ちさせるのではなく、最初は先輩の横で電話応対を学ぶ、先輩が隣についた状態で電話応対をするなど、段階的にひとり立ちに導いていく体制をつくりましょう。


また、わからないことがあれば何度でも質問できる雰囲気づくりも重要です。
「前にも教えた」と言われれば、新人スタッフは萎縮して質問できません。
不明点をそのままにしてしまうと、お客様に対して十分に説明できず、新たなクレームにもつながるでしょう。


■仕事と報酬が見合っている

コールセンターは、精神的にも身体的にも負担がかかる仕事です。
そのため、仕事内容に対して報酬が少なければ自然と離職率も高くなってしまうでしょう。


常に緊張感があり負担も大きいコールセンターが、他部署と変わらない報酬であれば不満を感じやすくなります。
また、非正規社員と正社員の報酬に差があるという点も、退職理由のひとつです。

報酬を見直し、必要に応じて上げることも大切です。
以降では、コールセンターの離職率を下げる具体的な改善策についてお伝えしていきましょう。


【改善策】コールセンターの離職率を下げる方法

コールセンターの離職率が高い理由は、電話対応による精神的負担や、不十分な研修、人間関係などが考えられます。

一方で、離職率が低いコールセンターは、従業員へのケアをしっかりと行い、仕事と報酬が見合っているという特徴があります。


それでは、具体的にコールセンターの離職率を下げる方法を5つご紹介しましょう。


1.面談をこまめに実施する

2.マニュアルやシステムの仕組みを改変する

3.ノルマの見直しや改善をする

4.個別指導を実施するなど教え方を見直す

5.社内アンケートを実施する


具体策について、ひとつずつ見ていきましょう。


離職率の改善策①:面談をこまめに実施する

クレーム対応による精神的ダメージが多いコールセンターでは、メンタルケアが重要です。
仕事でつらかったことや困ったことなどを、気軽に話せる場を設けて定期的な面談を行っていきましょう。

仕事に対する不安を一人で抱え込まず、悩みを打ち明けることで精神的負担を軽減できます。


離職率の改善策②:マニュアルやシステムの仕組みを改変する

暗記すべき項目の多さを改善するためには、極力覚えなくても大丈夫なようにマニュアルやシステムの仕組みを変える必要があります。

たとえば、すべてを暗記せずに済むように、不明点は検索機能を設けて対応できるようにすることもひとつの方法です。

また、マニュアル内容を見直し、短く伝わりやすいものに変更するのもいいでしょう。


離職率の改善策③:ノルマの見直しや改善をする

達成が難しいノルマを課すのではなく、一人ひとりが実現可能なノルマにします。
ノルマが理由で離職するのは、現実離れした数字の場合が多いようです。

まずは、毎月達成できている数字を知り、ノルマを見直して改善を図りましょう。


離職率の改善策④:個別指導を実施するなど教え方を見直す

研修は大会議室などで一斉に行うよりも、個人で教えるほうがはるかに内容も身につきます。
理解度やレベルはそれぞれ異なるため、一人ひとりに合わせたマンツーマン指導を取り入れてみましょう。

また、いきなり受電や架電を行うのではなく、実際している場面を見学させたり、隣でサポートを行ったりしましょう。

それだけで、新人スタッフの不安は軽減されます。


離職率の改善策⑤:社内アンケートを実施する

職場環境の改善には、社内アンケートを実施してみましょう。

現在、どのような点に困っているのか、改善してほしい点を調査することで、実際にスタッフが抱えている問題を可視化できます。
​​​​​​​ただし、社内アンケートは匿名で行いましょう。


まとめ

コールセンターは離職率が高い職種といわれています。
離職理由には、精神的ダメージや研修体制、ノルマなどです。

「また辞めてしまった」で終わらせるのではなく、「なぜ離職するのか」という問題に向き合い、一つひとつ改善をすれば離職率は下がっていくでしょう。
離職率が下がれば採用のコストも下がり、コールセンターの質や生産性の向上にもつながります。

まずは、スタッフが長く定着する体制づくりから取り組んでみましょう。



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