2021年の求職者動向と今後の予測|適した人材確保のコツについても解説
【2021年の求職者動向と今後の予測】
適した人材確保のコツについても解説していきます
2021年の求職者動向は新型コロナウィルスの影響を受け、従来とは異なる条件や働き方を求めています。
求職者が求める2021年の新たな条件やキャリア展開は、どのようになったのでしょうか。
今回は、2021年の求職者動向と今後の予測、そして採用の際に適した人材を確保する3つのコツについて、お伝えします。
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2021年の求職者動向はどうなった?
長引く新型コロナウィルスの影響により、いわゆる「コロナ失業」が増加しました。
厚生労働省が発表した2020年の完全失業率は、2.9%となり、2009年度のリーマン・ショック以来の悪化です。
コロナ禍で職場が休業になったり、収入面の不安から転職活動をはじめたりした人も多くいます。2021年7月の有効求人倍率は1.15倍と、前月よりも0.02ポイント上回り、コロナ禍の2021年でも求職者は増加傾向です。
求職者は従来通りの働き方ではなく、リモートワークや副業など、コロナ禍に適した働き方を求めています。
エン転職が行ったアンケート調査によると、企業を選ぶ際に重視するポイントが、コロナ禍をきっかけに「テレワークや副業ができる企業」を重視するようになったとあります。
感染リスクが高まる通勤を避けられる在宅勤務、収入の減少やキャリアアップのための副業・兼業可能など、多様な働き方ができる姿勢を重視している傾向です。
求める条件
2021年の求職者は、「週休二日制」「土日祝休み」といった、ワークライフバランスを重視する条件が注目されています。
加えて、「在宅」「在宅勤務」「リモート」「副業」「未経験」などのキーワードが増加しました。新型コロナウィルス拡大による感染リスクの不安から、在宅での勤務を希望する求職者が増えたことが要因と考えられるでしょう。
「副業」は、景気悪化による収入減少の不安などの対策として、仕事を探す人が増えています。
また「未経験」というキーワードが増加したのは、コロナの影響により自分の業種に不安を覚え、今まで経験したことのない業種・職種へチャレンジする求職者が増えたことが理由です。
求める業種や職種
コロナ禍より、在宅勤務やリモートワークなど柔軟な働き方ができる業種・職種に注目が集まっています。
なかでも、IT業界はリモートワークを導入していることが多く、コロナ禍でも影響を受けにくかった業種として注目されました。
また、将来への不安から資格を取得し、介護職など資格が必要となる職種にキャリアチェンジする人も多いようです。
今後のキャリア展開
今後のキャリア展開は、主に「副業」「独立・起業」「地方移住」「テレワークが可能な会社・職種への転職」への意向が高まっています。
「副業」は、派遣社員や契約社員がコロナ禍で収入が減少したため。
「独立・起業」は、テレワークの頻度が高まったこと。
「地方移住」と「テレワークが可能な会社・職種への転職」は、新型コロナウィルス感染への不安によるものです。
いずれも、勤めている会社経営への不安、将来のキャリアへの不安が共通しています。コロナ禍で、「専門性の高いスキルを身につけたい」「副業をしたい」と考える人が増加しました。
今後は、スキルを活かしながら働く場所や時間を自分で決められるうえに、副業やテレワークが可能な環境が求められるでしょう。
応募状況
新卒採用はもちろんですが、中途採用の応募者の増加が目立ったようです。
新型コロナウィルスの影響で休業や廃業が増え、会社の将来性に不安を覚えたり、コロナ対策の不十分さを理由に転職を希望したりする人が増えたと考えられます。
2021年の求職者動向から推測する今後
2021年の求職者動向は、以下の3点にまとめられます。
【2021年の求職者動向まとめ】
■在宅勤務やリモートワークを希望する人が増加
■副業可能な企業を望む求職者が多い
■未経験で異業種へ転職する人が増えた
それでは、今後の求職者動向はどのようになるのでしょうか。
今後も「在宅勤務」「リモートワーク」「副業」といったキーワードは、引き続き求職者が求める条件になると考えられます。
また、2021年は説明会から最終面接まで、すべてオンラインで行った企業も多いでしょう。
今後は、「オンライン+リアル」になるかもしれません。
長引くコロナ禍ですが、東京オリンピックの開催やワクチン接種が進んだのをきっかけに、Withコロナの時代へと進んでいます。
求職者のなかには「最終面接は直接会ってほしい」という考えもあり、状況が比較的落ち着いていれば、オンラインとリアルに対応した企業はポイントとなるでしょう。
反対に「オンラインにまったく対応していない」という企業は、時代の変化についていけていない・効率化できていない、といった印象をもたれかねません。
【今後の推測まとめ】
■「在宅勤務」リモートワーク」「副業」に対応した企業は、引き続き求職者が増える
■オンラインにリアルが戻ってくる可能性があり、企業は状況に合った柔軟な対応が求められる
適した人材を採用するために確認したいポイント
適した人材を採用するためには、以下の3つのポイントを確認しましょう。
1.求める人材像と一致するかどうか
2.人間性や性格に着目する
3.仕事に対する考え方を確認する
ひとつずつみていきます。
求める人材像と一致するかどうか
企業が求める人材像はさまざまですが、企業側の成長を促し、目的が達成できるかどうかが中心になるでしょう。
しかし、手当たり次第に人材を確保するのは避けたいもの。
自社が求める人材像と一致する人を採用することが大切です。
そのためには、「ペルソナ」の設定をしっかりと行いましょう。
「ペルソナ」は、人物像について性別や年齢、趣味などを具体的に設計し、求める人材像を作り上げていきます。
「ペルソナ」が設定できれば、他部署同士でも人材像を共有できたり、入社後のミスマッチを防げたりできます。
人間性や性格に着目する
スキルが高ければ高いほど即戦力なりますが、スキルだけをみて採用するのは危険です。
専門的な知識や技術ももちろん大切ですが、さらに大切なのは公共心や、相手を尊重して互いに高め合おうとする力や意欲がある「人間性」です。
仕事ができても人間性に問題があれば、社内や取引先でトラブルを起こす可能性があります。
ある程度優秀な人材であれば、技術や資格はあとから身につけることが可能です。
ただし人間性や性格は、あとから勉強して身についたり変わったりするものではありません。
スキルだけでなく、人間性や性格に着目して採用を決めましょう。
仕事に対する考え方を確認する
求職者の仕事に対する考え方を確認しなければ、入社後のミスマッチが起きてしまいます。
たとえば、応募者が「能力を活かして挑戦していきたい」と考えていても、企業側が保守的な社風であれば、価値観のズレが生じ、適した人材を採用できません。
採用の際は、企業理念と応募者の価値観を確認することが必要です。
まとめ
2021年の求職者動向と、採用において意識すべき3つのポイントについてお伝えしました。
2021年はコロナ禍のなか、会社やキャリアへの不安を覚えた人の転職が増えています。
「副業」や「在宅ワーク」といったキーワードを中心に仕事を探す人も多く、Withコロナに対応した企業への注目がうかがえます。
また、採用担当者は適した人材確保のために、「求める人材像との一致」「人間性への着目」「仕事への考え方の確認」が必要です。
自社と応募者の価値観のズレや、スキル面だけでの採用は早期離職やトラブルの原因となります。
時代の変化を捉えつつ、適した人材を採用していきましょう。