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KPIツリーの特徴や作成方法|コールセンターや人事労務担当者向け事例も紹介

KPIツリーの特徴や作成方法とは?
確認すべき注意点もあわせて紹介していきます

KPIツリーとは、最終目標達成のために必要な行動を数値化・可視化したものです。
組織や企業の成長には欠かせないものだといっても、過言ではないでしょう。

「目標のためにどのように動いたらいいかわからない」「チームがバラバラの方向を目指している」という問題がある場合は、KPIツリーの導入がおすすめです。
しかし、「そもそもKPIが分からない」という方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、KPIツリーの特徴や作成方法について、注意点とあわせてご紹介していきます。
KPIツリーは、組織や企業にとって地図のようなもの。
ゴールを見失わないためにも、自分たちでしっかりと道をつくっていきましょう。



目次[非表示]

  1. KPIツリーの特徴や作成方法とは?確認すべき注意点もあわせて紹介していきます
  2. KPIツリーとは
    1. KPIツリーを作成する意味
  3. KPIツリー作成前に確認したい注意点
    1. 1.単位まで最新の注意を払う
    2. 2.遅行指標(結果指標)と先行指標では内容が違う
    3. 3.同じ要素を含まないようにする
  4. 2ステップで簡単!KPIツリーの作成方法
    1. ①KGIを設定する
    2. ②KGIを分解しながらKPIを設定する
    3. シミュレーションで確認をしてみよう
    4. 人事労務担当者のKPIツリー事例
      1. 【人材採用】
      2. 【人材配置】
      3. 【人材育成】
  5. まとめ

KPIツリーとは

KPIは「Key Performance Indicator」の略で、日本語では「重要達成指標」「重要業績評価指標」と訳されます。

KPIは、事業成功のカギを数値化したものです。
似たような言葉に「KGI」「CSF」があるので、それぞれの関係を整理してみましょう。

  1. KGI(Key Goal Indicator):「重要目標達成指標」を意味し、事業成功の指標のこと
  2. CSF(Critical Success Factor):「最重要な要因」で事業成功のカギとなる
  3. KPI(Key Performance Indicator):最重要な要因を数値化したもの

【①KGI】を達成するための重要なプロセスが【②CSF】となり、
【②CSF】を数値化したものが【③KPI】です。

この【KGI】を頂点にし、【KPI】をツリーのように設置したものを「KPIツリー」といいます。

ツリーの末端にあるKPIから達成し、最終目標であるKGIの達成を実現していきます。


KPIツリーを作成する意味

KPIツリーを作成することは、企業にとってどのような意味があるのでしょうか。

KPIの目的は、従業員全員が数字を意識し、企業目標の達成のために迷うことなく行動できるためのものです。
KPIツリーは目標達成の行動を数値化しているため、今まで抱えていた課題が可視化され、解決に導く可能性があります。

「契約がとれない」「売上目標が達成できない」のような課題がある場合、従業員は「何をどうすれば契約がとれるのか」がわからないことが多いでしょう。
とくに経験が浅いスタッフは、「とにかく頑張って」と言われても、何を頑張ればいいのかわからず、目標を達成できないままになります。

KPIツリーを導入すれば、「何を・どのようにすればいいか」が明確になり、経験の浅いスタッフでも理解しやすく、具体的な行動にうつせるというわけです。
また、現場レベルまで数字に責任をもつため、当事者意識が高まり、事業や会社全体の促進・成長が期待できます。

KPIツリー作成前に確認したい注意点

企業の成長にもつながるKPIツリーですが、作成する前に以下の3つの点に注意してください。

  1. 単位まで細心の注意をはらう
  2. 遅行指標(結果指標)と先行指標では内容が違う
  3. 同じ要素を含まないようにする

ひとつずつみていきましょう。


1.単位まで最新の注意を払う

KPIツリーの各要素は、単位をそろえる必要があります。
それぞれの単位が異なれば、四則演算が成り立ちません。
KPIツリーを作成する際は、単位も一緒に記載していくといいでしょう。


2.遅行指標(結果指標)と先行指標では内容が違う

KPIツリーを作成する際は、遅行指標と先行指標に気をつけましょう。

■遅行指標:あとからついてくる指標のこと

■先行指標:先にあらわれる数字で遅行指標につながる

ツリーの末端にあるKPIの積み重ねが、KGIに近いKPIとなります。
そのため、ツリー末端のKPIは「先行指標」、最終目標であるKGIに近いKPIが「遅行指標」となっているか、確認が必要です。


KPIツリー


3.同じ要素を含まないようにする

原則的に、KPIツリーには同じ要素を含まないようにします。
似たようなKPIの設定は、生産性や効率を下げてしまうので、例外を除いてKPIが重複しないようにしましょう。


2ステップで簡単!KPIツリーの作成方法

KPIツリーは、2つのステップで簡単に作成できます。


①KGIを設定する

まずは、KPIツリーの要素を設定する前に、最終目標であるKGIの設定からはじめましょう。


②KGIを分解しながらKPIを設定する

KGIを頂点においたら、必要な要素を分解していきます。
最初は大きく分解し、徐々に細分化していきましょう。


要素の分解に困ったら、「What?」「Why?」「How?」を考えて分解をしていきます。

「What?」・・・何を向上させるのか?

「How?」・・・どのように向上させればいいのか?

「Why?」・・・なぜ向上できないのか?


シミュレーションで確認をしてみよう

それではKPIツリーの作成方法を、【コールセンター】を例にシミュレーションで確認していきましょう。

まずは、最終的な目標であるKGIを設定します。
ここでのKGIは、「応答率の向上」で考えてみましょう。

KGIを設定したら、次にKPI項目を設定していきます。応答率の向上のためには、「応答率」「放棄率」「サービスレベル(SL)」「平均応答速度(ASA)」などのKPI項目があります。

応答率は「対応できた受電数÷総着信数×100」、放棄率は「放棄呼÷総着信数×100」で算出可能です。

サービスレベル(SL)は「設定時間内に受電した数÷総着信数×100」、平均応答速度(ASA)は「受信時の待ち時間の合計÷総着信数」で算出できます。

このように、一つひとつを分解してKPIを設定していきます。
要素の関係性を四則演算で表にしたら、具体的な数値を記載していきましょう。


人事労務担当者のKPIツリー事例

人事労務担当者は、KPI設定をどのように行えばいいのでしょうか。
「人材採用」「人材配置」「人材育成」の3つの観点からみていきましょう。

【人材採用】

「採用数」をKGIと設定した場合、そこから応募者数や内定辞退率を設定していきます。

  • 採用者数
  • 内定辞退者数
  • 応募者数
  • 求人サイトからの応募者数
  • 自社ホームページからの応募者数
  • 平均在籍期間


【人材配置】

人材配置には、目標達成率や配置への満足度を設定し、ミスマッチを起こさないようにしましょう。

  • 目標達成率
  • 配置への従業員の満足度
  • 配置へのマネージャーの満足度


【人材育成】

人材育成は、研修にかかったコストや研修への満足度、資格取得数などを設定します。

  • 1人あたりの研修コスト
  • 研修満足度
  • 研修参加率
  • 資格取得数
  • 研修実施数


まとめ

KPIツリーの特徴と、作成方法についてお伝えしました。

KPIは、目標達成のために必要な行動を数値化したものです。

目標達成までのプロセスを分解して図にしているので、どのような行動をとるべきかが理解しやすくなります。

そのため、業績アップや業務改善が期待できます。


最初は要素の設定や分解に慣れず、作成までに時間がかかるかもしれません。

作成をしたら運用をしてみて、定期的にチェックしながら修正をしていきます。

チームや企業目標のために、KPIを導入してみましょう。


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